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周南・鹿野の漢陽寺庭園が国登録記念物に 重森三玲が手掛けた6庭園

重森三玲が手掛けた「曲水の庭」

重森三玲が手掛けた「曲水の庭」

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 「漢陽寺」(山口県周南市鹿野上)の庭園が6月18日、国の記念物(名勝地関係)に登録されることとなった。

モダンアートを思わせるデザインの「瀟湘八景の庭」

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 同日、文部科学省文化審議会が萩生田光一文部科学大臣に登録を答申した。漢陽寺は、1374(応安7)年に創建されたと伝わる禅宗寺院。1968(昭和43)年、前住職の杉村五由さんが、昭和を代表する作庭家で庭園史研究家の重森三玲(みれい)(1896~1975年)に作庭を依頼し、数年をかけ、約7000平方メートルの敷地に6つの庭園を造り上げた。

 最初に造られた「曲水(きょくすい)の庭」は、裏山にある灌漑(かんがい)用のトンネル「潮音洞(ちょうおんどう)」とつながる枯山水(かれさんすい)。本堂の北と東には「蓬莱山池(ほうらいさんいけ)庭」と「九山八海(くせんはっかい)の庭」が、中庭として「地蔵遊化(じぞうゆうげ)の庭」がある。重森が設計した大書院「聴流殿(ちょうりゅうでん)」は、モダンアートを思わせるデザインの「瀟湘(しょうしょう)八景の庭」を、山門前には「曹源一滴(そうげんいってき)の庭」を造った。

 杉村宗一住職は「父は、喜び涙している。鹿野の街を探索し、水音に癒やされながら、心を落ち着かせてもらえたら」と呼び掛ける。

 国登録記念物は周南市で初めて。山口県内では2016(平成28)年11月の「松田屋ホテル庭園」(山口市)以来4例目となる。

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