
斎場「想(おも)い出の杜(もり)ホール」(下松市末武下)の完成記念式典が3月27日、施設敷地内で行われた。
同斎場は、周南市の一部と下松市、光市の住民が利用する広域火葬施設。周南地区衛生施設組合が運営する御屋敷山斎場(下松市)の老朽化や、多様化する利用者ニーズ、今後の火葬件数増加に対応するため、旧下松清掃工場跡地に同組合が整備した。事業は民間活力を生かしたPFI方式で進めた。同組合によると、設計から工事、運営までを一体的に担うことで、サービス水準の向上やコストの適正化を図ったという。総事業費は約62億円で、20年間の運営・維持管理費も含む。
建物は鉄筋コンクリート(一部鉄骨)造りの地上2階建てで、延べ床面積は約4062平方メートル。火葬炉8基を備え、将来的な増設用スペースも確保している。告別・収骨室は5室(各40人収容)で、すべての炉前エリアを個室化。告別から収骨までを落ち着いた環境で行えるよう配慮したという。
待合室は9室(40人収容8室、42人収容1室)を設ける。多目的室やキッズルーム、授乳室も設ける。多目的室は簡易な葬儀に対応する。屋外には搬送車用駐車場35台分を確保。既存緑地を活用した庭園「想い出の森」には、ハーブガーデンや散策路などを整備した。
式典には、県や市、工事関係者ら約60人が出席。同施設組合長の国井益雄下松市長は「落ち着きのあるたたずまいと緑豊かな森が調和し、荘厳かつ厳粛な空間を演出する、令和の時代にふさわしい斎場が完成した。指定管理者と連携し、故人の尊厳と遺族の心情に寄り添い、安心して利用できる施設づくりに努める」と話した。
施設を運営する「想い出の森斎場」の梶山雅生社長は「故人の尊厳と遺族に寄り添い、心安らかにお見送りいただけるよう、最善のサービスを提供していく」と話す。
4月1日供用開始。