
半導体製造装置メーカー「日立ハイテク」(東京都港区)が3月28日、下松市東豊井に建設した新製造棟の竣工(しゅんこう)式を行った。
新製造棟は、半導体を微細加工するエッチング装置を製造する施設で、AIによる生産計画や無人搬送車(AGV)による部品運搬など、生産ラインのデジタル化・自動化を進めることで、製造能力をこれまでの2倍に引き上げることを目指す。
建物は鉄骨造の地上4階建てで、敷地面積は約8万平方メートル、延べ床面積は約3万5000平方メートル。1階と2階はクリーンルームで装置のモジュール組み立てを行い、3階はユーティリティー設備、4階は執務・リフレッシュエリアを設ける。外観やエントランスには、半導体の精密さを表現したラインとスペースのデザインを採用した。投資額は約245億円。
同笠戸事業所には現在、正社員約630人が在籍しており、今後は製造棟稼働に伴い雇用増加を見込む。
竣工式には、飯泉孝社長をはじめ、村岡嗣政山口県知事、国井益雄下松市長など33人が出席し、神事とテープカットが行われた。
飯泉社長は「念願の新製造棟が完成し、笠戸地区の従業員の夢がようやくかなった。今は皆が働くことを楽しんでいる。生産能力を実現するには人の力が欠かせない。採用を通じて地域にも貢献できるよう努めたい」と話す。