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周南・山崎八幡宮で「本山神事」 勇壮な突き落とし、豊作祈る伝統行事

本山神事の様子

本山神事の様子

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 周南市富田の山崎八幡宮(周南市宮の前1)で9月28日、秋季例大祭の「本山(ほんやま)神事」が行われた。

本山神事の様子

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 本山神事は1702(元禄15)年、徳山藩主・毛利元次が五穀豊穣と無病息災を願って「本山」「爺(じい)山」「婆(ばあ)山」と呼ばれる山車を奉納したことに始まるとされ、周南市の秋の風物詩として江戸時代から続く神事。「本山」を境内の急坂から落とし、その傾きでその年の作柄を占う。特徴は山車に取り付けた御神松の御幣を参列者が奪い合うところ。2010(平成22)年に山口県の無形民俗文化財に指定された。

 当日は17時から、傾斜30度の急坂で裸坊(はだか)と呼ばれる氏子の笛に掛け声を合わせながら綱を引き子どもたちが「爺山」「婆山」を引き上げた。境内中段で山車を180度回転させて坂に突き落とすと、観客から歓声が上がった。

 19時ごろには本山が出発。くぎを使わずかずらで組み上げられた本山は、人が乗ると重さが2トン近くになるという。地元有志や氏子ら約150人が綱を引き、棒で車軸を操りながら進んだ。笛に合わせて「そーれ」の掛け声が響く中、急坂を少しずつ引き上げ切ると、見守る観客から大きな拍手が起こった。

 中央鳥居前ではみこしとの対面儀式が行われ、玉串を神前にささげる神事や巫女(みこ)舞が奉納された。続いて本山が坂に突き落とされ、滑り落ちる本山を追いかけながら参列者が山車に上り、御神松や御幣を縁起物として奪い合い神事を締めくくった。

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