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周南市美術博物館で「まど・みちお」展 国際アンデルセン賞受賞作家らの展示も

来場を呼び掛ける学芸員の松本久美子さん

来場を呼び掛ける学芸員の松本久美子さん

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 童謡「ぞうさん」などの作詞で知られている周南市出身の詩人まど・みちおさんの生誕110年記念作品展「まど・みちお てん」が11月15日、周南市美術博物館(周南市花畠町、TEL 0834-22-8880)で始まった。

「国際アンデルセン賞」メダルを眺める観覧者

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 まどさんは、1909(明治42)年、旧徳山市西辻(周南市辻町)に生まれた。5歳の時、父が仕事を求め家族と台湾へ移住した。1人祖父の下に取り残されたまどさんの心を癒やしたのは生家に広がる自然だった。その頃の経験が創作の原点になっているという。

 1934(昭和9)年、25歳で北原白秋に認められ童謡と歌の世界に入る。1959(昭和34)年、童謡「サッちゃん」で一躍時の人となり、大阪朝日放送退社後は小説、詩、童謡、絵本などを手掛け、1975(昭和50)年、小説「土の器」で芥川賞を受賞。1994(平成6)年、日本人として初の国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。

 同展では、まどさんが「国際アンデルセン賞」を受賞するまでの軌跡を、詩や写真のパネル、雑誌、創作ノート、抽象画など約130点を展示し、振り返る。2階展示室3では、同じく「国際アンデルセン賞」を受賞した4人の日本人作家、赤羽末吉さん、安野光雅さん(以上、画家賞)、上橋菜穂子さん、角野栄子さん(以上、作家賞)の作品も合わせて展示する。

 同館学芸員の松本久美子さんは「まどさんの童謡は、皆さんよくご存じだと思うが、詩はなかなか読まれたことがないと思う。生涯にわたり2000もの作品を生み出されているが、その原点が周南で培われてきたもの。ユーモアなものもあれば、石ころの焦点を合わせたものや宇宙に広がるものもあるので、いろんな感覚が味わっていただけたら」と呼び掛ける。

 11月24日は元JBBY(日本国際児童図書評議会)会長の坂東悠美子さんが、12月7日は「続まど・みちお全詩集」を手掛けた編集者市河紀子さんが、記念講演会を行う。

 開館時間は9時30分~17時(入場は終了の30分前まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,000円、大学生=800円。12月24日まで。講演会の開催時間は14時~15時30分。

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