下松市の降松神社(下松市河内)で5月29日、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する「御田植祭(おたうえまつり)」が行われた。
昨年、降松神社鎮座1425年をきっかけに始めた御田植祭。苗を手植えする早乙女(さおとめ)役を、神社近くの下松高校女子生徒に依頼している。
晴天に恵まれたこの日、同神社に登る参道のふもとで、氏子総代など関係者や下松中学校の学生ボランティアら約30人が見守る中、神足篤彦宮司の祝詞奏上やみこによる舞の奉納などが行われた。
その後、場所を隣接する神田に移動。紺の着物に赤たすき、菅笠(すげがさ)をかぶった早乙女5人が水田に入り、田を管理する藤井秀樹耕作長の指導を受けながら、1列になり丁寧に手植えした。中学生8人も参加し、ぬかるみに苦戦しながら約1時間かけ、1畝(せ)(約100平方メートル)の水田にもち米「マンゲツモチ」の苗を植えた。
下松高校3年生の中村彩美さんは「地域について調べる中、降松神社に興味を持ったことが参加のきっかけ。大変だったが、早乙女の衣装も初めてですごく楽しかった」と話す。
収穫される米は、供物や餅まきに使い、藁(わら)は、神社のしめ縄などに使うという。