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下松・天王森古墳に形象埴輪群 状態良く、太刀形埴輪を中四国九州で初の復元

太刀形埴輪を紹介する玉川良雄教育委員長

太刀形埴輪を紹介する玉川良雄教育委員長

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 下松市教育委員会が7月21日、市指定史跡「天王森(てんのうもり)古墳」周辺で、武具や人、家などの形象埴輪(はにわ)群が国内最上級の遺存状態で見つかったと発表し、復元した大刀形埴輪が報道関係者に公開された。

天王森古墳と下松市市街地の空撮写真

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 天王森古墳は、今から1500年前、6世紀前半の古墳時代に築かれた前方後円墳。全長約45メートルで、当時この辺りを治めていた豪族・都怒国造(つぬのくにのみやつこ)の墓とされる。古墳周辺を宅地開発していたところ、2020年12月に西日本有数の形象埴輪群を発見し、翌年3月まで発掘調査を行った。

 出土した形象埴輪は、盾(4体)や靫(ゆぎ=矢を入れる筒、4体)、太刀(3体)の器材埴輪、巫女(みこ、2体)、力士(1体)の人物埴輪、家形埴輪(4棟分)など20体を超える。調査に当たった花園大学の高橋克壽教授によると、古墳完成後の早い段階で濠に転落したことで、多くの埴輪が原形をとどめた状態で発見されたという。復元可能な埴輪も10体程度あり、下松市では年間1、2体を復元していく予定。

 第1弾として復元した大刀形埴輪は全長120センチ。西日本では出土例が少なく、太刀形埴輪が全形で復元されたのは中国・四国・九州地域では初となる。同埴輪は、大阪府高槻市の継体大王(天皇)の墓とされている今城塚古墳から出土した太刀形埴輪と全体から細部に至るまで形状が似ているため、同古墳の被葬者が当時の王権から埴輪作りの工人を派遣してもらえるほどの有力者であったことが推定できるという。

 國井益雄下松市長は「今回の発見で、中央とつながりのある重要人物がこの下松に住んでいたことが分かった。太古の時代から港を中心に栄えた住みよい町だったことが証明されたと思う」と話した。

 今回復元された大刀形埴輪と円筒埴輪は、8月10日からスターピアくだまつ(下松市中央町2)ハート・フロアで一般公開される。9月29日まで。

 同所で9月3日、高橋教授による講演会「周防の大豪族降臨-天王森古墳出土埴輪のかがやき-」が開かれる。開催時間は14時30分~16時。参加無料。事前申し込みが必要で、定員は先着300人。申し込みは下松市生涯学習振興課(TEL 0833-45-1870)まで。

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