光市室積にある雑貨・総菜店「木村家」(光市室積7)の壁面に12月17日、「早長八幡宮秋まつり」をモチーフに描いたウオールアートが完成した。
ウオールアートが描かれたのは、築160年を超える古民家を改装したという同店の横13メートル高さ3メートルの黒い板壁。下松市出身で徳島県美波町を拠点に活動するアーティスト・磯中太志さんが12月11日から1週間かけ、江戸時代から続く伝統行事「早長八幡宮秋まつり」の山車巡行の様子を水性ペンキやアクリル絵の具、スプレーを使い仕上げた。
磯中さんは、京都のデザイン専門学校を卒業後、約5年間世界各地を旅した後、徳島県美波町に移住。2020年、高さ8メートルの倉庫の壁に描いたウオールアートを皮切りに、徳島県内を中心に15作品を制作。山口県内では、昨年6月と今年5月、下松高校美術部の制作をサポートし、下松市内2カ所のウオールアートを完成させた。光市室積の同作品は山口県内で初のオリジナル作品となる。
磯中さんは、帰省の際に訪れた光市室積の風景に心を打たれ、「室積でウオールアートを描きたい」と親交のあった「徳山コーヒーボーイ」の副社長・山本統さんに相談。山本さんは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催中止や縮小が続く「早長八幡宮秋まつり」の多くの世代に伝えていきたいと妻・郁美さんが経営する同店の壁面に描くことを依頼した。
磯中さんは「エンヤ!エンヤ!とかけ声を上げ引き回す山車巡行の躍動感が伝わるよう工夫して描いた。制作中、何度も足を運んでくれた人がいたり、子どもたちから声援を受けたり、人々との交流も楽しめたりした。室積に立ち寄るポイントの一つになれば」と話す。