鉄道車両を製造する日立製作所笠戸事業所(下松市東豊井)で5月13日、工場開放イベント「Hitachi Open Day 2023」が開催された。あいにくの雨模様にもかかわらず、親子連れや鉄道ファンら約3800人(主催者発表)が訪れ、にぎわいを見せた。
1921(大正10)年に日立製作所笠戸工場として誕生し、2021年に創立100周年を迎えた同事業所。100年以上にわたり支えてもらった地域住民や従業員、その家族への恩返しと、普段は立ち入ることのできない事業所を見学してもらい、地域交流の機会にと開催した。コロナ禍を経て、5年ぶりの一般開放となった。
会場では、東海道・山陽新幹線N700Sや台湾の都市間特急車両EMU3000、5月20日から運行開始するJR北海道737系電車などが展示され、子どもたちが車両をのぞき込む様子や記念撮影する様子が見られた。鉄道車両の装備を取り付けるぎ装工場や鉄道車両の台車などが公開されたほか、スタンプラリー、鉄道模型の展示走行などが行われた。
100周年事業として、2021年5月に完成した歴史記念館「まるかさ広場」も初めて一般公開され、長い列を作った。館内では、設立当時の蒸気機関車から、電気機関車、通勤車両、モノレール電車、新幹線など高速鉄道車両、リニアモーターカーなど設計、製造してきた多種多様な車両の写真や模型などが展示される。同館1階には全長27メートルの500系新幹線の実車両が展示され、車内では、鉄道車両の構造や内装の製造過程を紹介する。
岩崎充雄事業所長は「工場は塀に囲まれており、なかなか見ることができない工場内部や鉄道車両を見学してもらうことで、子どもたちに喜んでもらい、将来一緒に鉄道車両を作りたいと思ってもらいたい」と話す。