初代内閣総理大臣・伊藤博文ゆかりの工芸品などを集めた特別展「伊藤家愛蔵品~ふるさと光市への贈り物~」が8月27日、「伊藤公資料館」(光市束荷、TEL 0820-48-1623)で始まった。
伊藤博文の生誕地である光市で、遺品や資料を通じ業績を紹介する同施設。特別展では、2022年に伊藤博文の子孫から譲り受けた絵画や工芸品、墨書、書籍など50点を前期と後期に分け初公開する。
展示する美術品は、江戸時代前期から昭和中期にかけて制作された物で、開運招福を願う徳川幕府御用絵師で狩野友信(かのう とものぶ)の絵画「達磨図」や子孫繁栄を願う尾竹越堂(おたけ えつどう)の絵画「月に兎図」などの縁起物とされる品が多く並ぶ。
このほか、明治天皇御下賜品の「皇室菊十六御紋銀盃三ツ重」や、長州藩士時代に名乗っていた「伊藤俊輔」の署名入り英国経済書などを展示する。
27日に行われた開会セレモニーでは、伊藤博文のひ孫の伊藤文隆さんと親族に、市川熙(ひろし)光市長から感謝状が贈られた。その後、大和中学校生徒による学習発表、同館長で学芸員の毛利美友紀さんによるギャラリートークが行われた。
伊藤文隆さんは「伊藤公とその親族が愛着を持って日用品として使ってきた物もある。伊藤公の功績や日本のために行ってきた努力を知ってもらい、見た一人一人が自分に何ができるかを考えるきっかけになれば」と話す。
前期=8月27日~10月9日、後期=10月12日~11月26日。開館時間は9時~17時。休館日=月曜、10月10日・11日。入館料は、大人=260円、高校生以下無料、9月2日は終日無料。