徳山動物園(周南市徳山)に展示されている蒸気機関車「D51形395」の修繕工事に伴う車両移動が10月23日に行われた。
2013(平成25)年から大規模リニューアルを進める徳山動物園。南園入り口に展示する同機関車を修繕し、展示エリアの整備も含め2025年後半のオープンを予定している。
「デゴイチ」の愛称で知られる「D51形395」は1940(昭和15)年に製造され、仙台、厚狭、広島の機関区、岩徳線などで1971(昭和46)年まで運行。当時の日本国有鉄道から市に無償貸与され、同年11月より徳山動物園に展示されている。製造から85年目を迎え、車両の損傷やさびなどが目立つことから鉄工修繕や塗装作業を行う。展示エリアは駅ホーム風に整備し、運転室に搭乗できるようにする。
機関車と炭水車合わせて全長約20メートル、約90トンの車体を4分割し大型クレーンで移設する。当初前日22日に分解移設作業を行う予定だったが、経年に伴う固着が激しく、分解作業のみとなった。23日も朝から分解作業を行い、13時過ぎに機関車両上部をクレーンでつり上げ、トレーラーに積み、園内の作業ヤードに移動させた。
徳山動物園リニューアル推進室の岡本知也室長補佐は「無事つり上げることができ、ひとまずほっとした。修繕後は、市民や来園者、鉄道ファンなど幅広い層に楽しんでもらい、動物園の入り口の顔として、愛され守られる場所を目指したい」と話す。
移設作業は明日も行われる予定。