JR西日本中国統括本部が12月20日、JR徳山駅で運転士業務の見学会を行った。
当日は、安全運行や鉄道業務への理解を深めてもらうとともに、次世代の担い手確保を目的に、周南市、下松市、光市の職員や高校教員を招いた。運転前に行う出区点検、試運転の見学、駅構内での入換作業と避難ばしご体験の3部構成で行われた。
出区点検では、車両や保安装置の点検確認など出発準備の流れを学んだ。続く試運転では、徳山駅から下松駅を往復し、運転士による安全確認やドア操作を間近で見学。乗務員に緊急事態を知らせるSOSボタンを押し、列車が緊急停止する様子も体験した。
入換作業では、運転士、信号担当、操車担当が連携して車両を移動させる様子を見学。避難ばしごを使った降車訓練で非常時対応の重要性を学んだ。
見学会に参加した下松市職員の一人は「普段何気なく乗っている電車も、その裏ではさまざまな確認作業や緊急対応の体制が整えられ、安全がしっかりと支えられていることを実感した」と話す。
運転士の貞森直美さんは「お客さまが旅行帰りに土産袋を手にする姿を見ると、安全に目的地まで送ることができたとうれしく思う。鉄道は運転士だけでなく、駅業務や保全などさまざまな仕事で支えられている。次世代の担い手にこの仕事の魅力を知ってもらい、関心を持つきっかけになれば」と話す。