日立製作所笠戸事業所(下松市東豊井)が11月16日、工場開放イベント「Hitachi Open Day 2025」を開催した。
同事業所は1921(大正10)年に創立し、国内外向け鉄道車両の設計・製造を行う。100年以上にわたり地域と歩んできた感謝を込め、普段は立ち入ることができない工場を公開し、ものづくりの現場に触れてもらう取り組みとして企画した。2023年以来2年ぶりの一般公開となり、当日は約6000人が訪れた。
会場では、東海道・山陽新幹線で検測を行う923形「ドクターイエロー」T4編成の先頭車両を展示した。笠戸事業所が2000(平成12)年に製造・納品した車両で、2025年1月の引退後にJR東海から譲り受けた。同事業所での公開は今回が初めてとなり、「おかえりなさい、おつかれさまドクターイエロー」と書かれた看板を前に多くの家族連れが列をつくり記念撮影をしていた。
展示車両にはこのほか、仙台市交通局の地下鉄南北線向け車両3000系、阪急電鉄2000系などが並んだ。鉄道模型の展示走行やミニSLの乗車体験、ペーパークラフト製作コーナーもにぎわいを見せた。
笠戸事業所副事業所長の久保宏さんは「2年ぶりの開催で天候にも恵まれ、従業員の家族を中心に多くの方に来てもらえたことをありがたく思う。働く現場を家族に見てもらうとともに、珍しい車両も公開し、地域の皆さんにも日立への理解を深めてもらう機会になれば」と話す。