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周南でイワシ漁見学ツアー 煮干し加工所の見学も

イワシ漁の様子

イワシ漁の様子

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 周南市福川で11月28日、「瀬戸内伝統のイワシ網漁見学モニターツアー」が開催された。

イワシをすくい上げる様子

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 周南観光コンベンション協会(周南市みなみ銀座1、TEL 0834-33-8424)が主催する同ツアー。同協会が観光素材の発掘と着地型旅行商品の開発を目的に開いた連続講座「周南地域観光塾」で、周南市新田を発着場として運行する遊漁船・直穂丸の船長仲子信正さんらと共に企画した。

 見学する漁は、煮干しに加工するカタクチイワシを捕るイワシ網漁。漁期は9月から12月まで。4隻1組で行われ、1隻がイワシを探し、2隻が網を引き、もう1隻の船が捕ったイワシを運搬する。周南地域でも戦前から多く行われていたが、現在は福川地区の2社のみ。同ツアーではそのうちの1社、平田水産(周南市新田2)が行う漁と加工現場を見学する。

 参加者は朝7時に集合し、7時20分に「網入れ」の連絡が入ると、直穂丸に乗船し福川魚港を出港。大津島の西側の漁場へ到着すると、既に2隻の船が網を引く作業を行っていた。約20分かけてイワシを網に追い込んだ後は、クレーンを使いながら5人がかりで網を引き揚げる。最後は、人力で大きな網でイワシをすくい上げた。

 イワシを積むと運搬船はすぐさま加工所へ。加工所ではポンプでイワシを吸い上げ、水洗いをしながらプラスチック製のせいろに機械で並べる。煮干し作りは時間との勝負で慌ただしく手作業も同時進行。積み重ねたせいろを熱湯で煮た後は、12時間掛け乾燥し、煮干しが完成する。

 平田水産社長の平田仁さんは「瀬戸内の煮干しは外洋のものと比べ、身も柔らかくだしが取りやすいのが特長。骨も柔らかいため、だしがらも料理に使うことができる。地域で守り継いできたこの漁を皆さんに知ってもらい、少しでも興味を持ち、食してほしい」と話す。

 同協会の向上潤さんは「漁や加工の様子を間近で見学できるチャンスはなかなかなく、ツアーとしても価値がある。今後は取れたての食や食育・地域学習などと絡めながら、来シーズンに向け企画していきたい」と話す。

 同モニターツアーは12月5日にも開く。開催時間は7時~12時で、旅行代金は2,500円。申し込み、問い合わせは同協会まで。

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