狛(こま)犬を通じて地域の魅力を発信する「山口狛犬楽会」が2月8日、「第9回地域再生大賞」の優秀賞に選ばれた。
2016年に設立した「山口狛犬楽会」。地元で建具店を経営する藤井克浩さんが会長を務める。会員は、大学教授や九州・大阪などの愛好家20人。神社を巡り、さまざまな狛犬を見て回る「狛犬ウォーク」を定期開催している。
藤井さんによると、狛犬は本来「獅子・狛犬」といい、向かって右側が口を開いた角なしの「阿像」で獅子、左側が口を閉じた角ありの「吽像」が狛犬という。瀬戸内海側にある「阿像」は雄が多く、日本海側は「吽像」に雄が多いという。藤井さんは「狛犬は一体一体が石工による手作りで、地域によって形に差があり、一つとして同じ物がない」と話す。
山口県内で同会が確認した狛犬の総数は913組。うち周南市では120組、下松市・光市では64組が現在確認されている。1702年(元禄15年)に作られた県内最古といわれる狛犬は「周方神社」(周南市長穂)に納められている物という。
藤井さんは「優秀賞に選ばれ感謝している。調査の結果、台湾に残る狛犬と県内の狛犬の特徴にいくつかの共通点が見つかった。狛犬をきっかけに、日本はもちろん台湾の人たちにも山口の風情や良さを伝えていきたい」と意気込む。
4月7日は「第12回・狛犬ウォーク」を開催する。7時30分にJR徳山駅北口集合の後、新山口駅まで電車移動し、六神社、日吉神社、八雲神社、春日神社、黒山八幡宮など13キロを徒歩で巡る。参加費は200円。