「下松市栽培漁業センター」(下松市笠戸島、TEL 0833-52-1333)で2月5日、新設した「新種苗棟」の内覧会が行われた。
1983(昭和58)年、水産資源の保全を目的に設立された同施設。これまで、「笠戸ひらめ」をはじめ、「笠戸トラフグ」、オニオコゼ、キジハタ、マコガレイなど10魚種を育成し、周南市や下松市の海などに稚魚を放流していた。漁業者から新魚種の開発要望を受け、新施設の増設を計画。2018(平成30)年着工から1年半かけ完成した。総工費は約11億1,000万円。
新施設の敷地面積は約6225平方メートル。稚魚を卵から育てる「第3生物飼育棟」と研修室や調理室を備える「研修棟」、「中央管理棟」、魚と触れ合える「タッチングプール」がある。
50トン水槽を8基備える「第3生物飼育棟」では、マコガレイ、キジハタ、オニオコゼ、アイナメ、ウマヅラハギの5魚種を卵から育てる。
下松市役所農林水産課の鬼武輝明さんによると、「タッチングプール」の広さは約71平方メートルで日本最大規模という。笠戸ひらめや笠戸トラフグ、キジハタ、サバ、マダイ、モチメイボなどの魚が放流されおり、はだしで入り、直接触れ合うことができる。利用無料。足洗場も併設する。
研修室や調理室を備える「研修棟」では、笠戸ひらめのさばき方教室などを開く。研究室、調理室の利用料は、1時間550円。
鬼武さんは「地元の海に生息する魚と触れ合えるタッチングプールや笠戸ひらめの展示水槽も備えているので、足を運んでほしい。笠戸島の新たな観光拠点施設になれば」と話す。
オープンは4月1日を予定する。