下松市下谷の農園「ファーム和」(TEL 0833-53-0055)で今年初めて栽培に挑戦した青パパイアの木に実がなり、収穫し販売を始めた。
同園の河村和彦さんは「農家の高齢化や担い手不足などで休耕地が増えていく中、両親が残してくれた農地を荒廃させたくない」という思いから10年前、当時勤めていた下松市を退職し農業を始めた。農園がある下谷赤谷地区は標高約370メートルに位置し、昼夜間の寒暖の差が非常に激しく作物の栽培にはとても適しているという。現在、ビニールハウスを使いホウレンソウの通年栽培やブロッコリー、トマトの栽培を行っている。
今年4月苗の買い付けに広島を訪れた際、青パパイアの苗を見つけ「試し育ててみよう」と6本を購入。70センチ程度の苗はすくすくと成長、ビニールハウスの天井3メートル弱まで成長した。1個は500グラム程度。9月下旬、収穫を始めた。「最初は実が付くかどうかも分からなかった。こんな山奥で青パパイアが立派に育つとは思わなかった。これだから農業は面白い」と話す。
野菜ソムリエでもある妻の真弓さんによると、青パパイアはたんぱく質・糖質・脂質・を分解してくれる酵素を含み、ビタミン、ポリフェノールなども多く含み「メディカルフルーツ」と呼ばれているという。食べ方について「炒めたり酢の物にしたりと何にでも合うが、一番のお薦めやっぱりサラダ。癖になる味で食感も楽しめる」という。
和彦さんは「この先さらに寒くなるため、実が成長していくかまだまだ分からない」という。2~3個収穫できた時だけJA周南の直売所「菜さい来んさい!下松店」(西柳2)などで販売する。
「今年は実験的だったが、ある程度育つことは分かった。来年はまだまだ増やしていきたい」と抱負を語る。