徳山大学の公立化を検討する第5回有識者検討会議が2月2日、周南市役所で行われた。
藤井律子市長が公約に掲げる「徳山大学の公立化」に向け、方向性を示そうと昨年9月に始まった同会議。会長の山口大学大学院の榊原弘之教授をはじめ、県内外の大学や市内教育機関の関係者、地元経済界から徳山商工会議所、新南陽商工会議所の会頭ら10人が委員を務める。
これまで過去4回の会議では、同大学の現状・経営見通しや、他大学の公立化事例、地元経済・市財政に与える影響、県内初となる情報科学部や県東部初となる4年生看護学科の設置などについて話し合った。
会議最終回のこの日、最初に市から、公立化による効果とともに、県東部唯一の4年生大学であり、年18億円の市内経済への波及効果があることなど、「地域の成長エンジン」「地域人材の循環」「若者による街のにぎわい創出」として、大学を生かしたまちづくりを行いたいと考え方を示した。
続く議題では、公立化のメリットや課題、市や同大学に対する意見を各委員が発表。榊原会長は「公立化ありきではなく、まちづくりと大学の関係から議論を始めてきた。徳山大学は周南地域にとっての財産であり資源。大学の救済ではなく、周南市としてまちづくりに生かしてほしい」と話す一方、「リスクもあり、市として慎重に評価をしながら、市民と一緒に考え、合意形成の必要がある」とまとめた。
同会議の内容は、3月末までに報告書にまとめ、市長に提出する。藤井律子周南市長は「会議の報告書を踏まえ、市民の意見を聞きながら、来年度早期に公立化の方向性を決定したい」と話す。