下松市・切山地区に伝わる県指定無形民俗文化財「切山歌舞伎」の歩みをまとめた書籍「切山歌舞伎の歴史」が完成し、8月24日に報告会が下松市役所で開かれた。発行は切山歌舞伎後援会。
切山歌舞伎は約270年にわたり、「切山八幡宮」(下松市切山)の奉納歌舞伎として上演される地芝居。同冊子は、切山歌舞伎後援会が2015(平成27)年、「文部科学大臣表彰地域文化功労賞」を受賞したのを契機に、切山歌舞伎と継承してきた地域の歴史をまとめようと企画した。
切山地区や切山八幡宮の紹介、切山歌舞伎の歴史や奉納公演の様子、保存活動の取り組みなどを写真やインタビューを交え振り返る内容。巻末には、同会が所蔵する江戸や明治時代の浄瑠璃本や歴代の公演ポスター、活動年表などを掲載する。
切山歌舞伎後援会会長の梅田幸子さんは「一つの歴史として今までの切山歌舞伎をまとめた。これからは今まで以上にたくさんの人に関心を持ってもらい、270年の歴史を持つ切山歌舞伎が多くの人に愛されるように紹介していきたい」と呼び掛ける。
A4判、一部カラー、152ページ。発行部数は600部。切山歌舞伎後援会事務局(下松市役所生涯学習振興課内)で2,000円の寄付に対し、1冊提供する。11月28日、「スターピアくだまつ」で開演予定の「伝統をつなぐ 切山歌舞伎・島田人形浄瑠璃芝居の共演」の公演時も受け付ける。