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周南・映画祭で「この世界の片隅に」「ふたりの桃源郷」上映 両監督のトークショーも

片渕監督舞台あいさつの様子

片渕監督舞台あいさつの様子

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 周南市銀座にある休館中の映画館「シネマ・ヌーヴェル」と「テアトル徳山I」で5月20日・21日、「周南『絆』映画祭」が開催された。

佐々木監督のトークショー

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 映画愛好家や地域活性化団体など有志でつくる実行委員会が主催する同イベント。山口県ゆかりの映画作品上映や、ゲストを招き、映画の魅力を通じて地域の活性化と映画館の復活を目指す。

 今回は、第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画作品賞受賞作品「この世界の片隅に」と、同・文化映画作品賞受賞作品「ふたりの桃源郷」を含む6作品を2日間にわたり上映した。片渕須直監督と佐々木聰監督の舞台あいさつやトークショーが開催されるとあって、県内外から映画ファンら約1500人が会場に詰めかけ、上映回は立ち見も出る盛況ぶりを見せた。

 「ふたりの桃源郷」は、電気も水道もない山奥でつつましく生きた老夫婦とそれを見守る家族の姿を、地元テレビ局「山口放送」が25年にわたって追いかけたドキュメンタリー映画。佐々木監督はトークショーで、同映画のテーマは「人間賛歌」と説明し、映画では語られていない夫婦円満の秘訣や撮影時のエピソードを披露した。

 片渕監督は「この世界の片隅に」の制作のきっかけが、1955(昭和30)年の山口県防府市を舞台に小学3年生の少女の日常を描いた前作「マイマイ新子と千年の魔法」だったことや、主人公「すず」の声を女優ののんさんにキャスティングしたいきさつなどを明かした。

 1962(昭和37)年に完成した両映画館について、片淵監督は「歴史ある場所や建物が現在も残り続けることで、時の流れの大切さを改めて感じさせられる。『この世界の片隅に』は70年前の世界の話だが、この世界は自分たちがいる世界であることを認識させてくれる」と話した。

 同映画祭実行委員会委員長の大橋広宣さんは「映画好きがボランティアで集まりながら運営している映画祭。何よりも参加した人が暖かい言葉や励ましがうれしかった。今回の映画祭は、映画の内容をはじめ、作り手の思い、観客の作品に対する思い、実行委員の熱意が相乗効果となって盛り上がった」と話す。

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