下松市のダンススタジオ「METHOD B STUDIO(メソッド ビー スタジオ)」(下松市栄町1、TEL 0833-41-1675)で5月17日、コンテンポラリーダンスパフォーマンス「辻本知彦×笹本龍史 スタパフォ」が開かれた。
同スタジオを主宰する笹本龍史さんは2006年に渡米し、ニューヨークを拠点に数々の振り付け家の作品に出演。2013年に帰国し、共に活動する妻・田村真樹子さんと下松市に同スタジオを設立した。2015年にはニューヨークでの先鋭的なダンスが評価され、「米ダンス界のアカデミー賞」とも称される「ダンス&パフォーマンス・アワード/ベッシー賞」を受賞するなど、山口、東京、ニューヨークを往来しながら活動を行う。
同スタジオではヨガを中心に指導を行っていたが、7月から新たにダンス教室を始めるに当たり、山口では公演の機会が少ないコンテンポラリーダンスをまずは知ってもらおうと企画。10年前に共演した辻本知彦さんを東京から招いた。「スタパフォ」は「スタジオ・パフォーマンス」の略。
辻本さんは、2007年に男性日本人ダンサーとして初めて「シルクドソレイユ」に参加。「マイケル・ジャクソン:ザ・イモータル・ワールドツアー」では世界27カ国140都市での公演に出演した。昨年は女優・土屋太鳳さんが踊り話題となった歌手シーアさんのミュージックビデオ「Alive feat.土屋太鳳」の振り付けを行うなど、国内外で活躍する。
スタジオの開場と同時に辻本さんは次々と来場する観客と連動した動きを見せ、公演が始まると2人は来場者が履いてきた靴を利用し会場に独特な空間を作り出す。出会いやダンスについて掛け合いをしながら徐々にパフォーマンスを披露。後半には音楽と光の演出に合わせた激しいダンスで観客を魅了した。
公演終了後、ヨガ教室に通う女性は「パフォーマンスの美しさに胸が詰まり感動した。不思議な魅力」と話し、柳井市から来たというダンス経験者の男性は「スタジオという狭い空間にもかかわらず、あれだけ大きな動きを表現できるのがすごい。ぜひ舞台でのダンスも見てみたいし、指導も受けてみたい」と話した。
笹本さんは「コンテンポラリーダンスとは、ルールがない表現というのが、唯一のルールだと思う。観客との関係性や靴を並べるだけでも表現の一つ。表現は自由ということを知ってもらいたい」と話す。「一緒にダンスの楽しさを感じてもらい、体験してもらえたら」と呼び掛ける。