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光市の虹ケ浜海岸に「流木ゴジラ」 海岸美化を訴え未完成のまま「海へ帰る」

流木ゴジラの最後の様子を観覧者と共に記念撮影する重山さん(右)

流木ゴジラの最後の様子を観覧者と共に記念撮影する重山さん(右)

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 光市虹ケ浜海岸にある流木で作ったアート作品「流木ゴジラ」が5月31日を最後に「海に帰った」。

九州・熊本を向く流木ゴジラ(アップ)

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 同海岸近くの介護施設に勤める重山洋一さんが製作した「流木ゴジラ」。重山さんは「虹ヶ浜海岸は、流木や漂着ゴミだけでなく、禁止されている花火やバーベキューなどのゴミが散乱している時もある。瀬戸内海国立公園として恥ずかしくない海岸にしたい。海岸美化について考えるきっかけになればと作品を制作した」と話す。

 4月から砂浜の清掃と共に流木集めを始め、5月から作品制作に取りかかった。5月中旬には頭部や腕なども組み上がり、全長5メートルの姿となった。ゴジラの周りには流木で「祈 東日本・九州熊本復興」とのメッセージを添え、ゴジラが立ち上がる姿に「震災から復興へと立ち上がる」との思いを込めた。

 5月19日、同作品の存在を知った山口県周南港湾管理事務所から、風などによる倒壊の危険性と海岸法抵触の指摘を受けたため、未完成のまま6月1日早朝に自主撤去することを決めた。重山さんは「危険を与え、迷惑を掛けるつもりで始めたのではなかった」と振り返る。

 重山さんの作品制作中は、連日多くの人が同海岸を訪れ、最終日の31日にはカメラ片手に最後の姿を一目見ようと多くの人が海岸に駆け付けた。

 写真を撮りに来たという女子高校生は「折角の作品がもったいない。このまま残し、もっと多くの人に見てほしかった」と話す。小学4年生の男子児童は「今日で無くなるのはちょっと悲しい。ゴミ拾いも手伝いたい」と話す。

 重山さんは「明日の朝にはゴジラはいなくなるが、多くの人に現状を知ってもらえた。これからも環境美化活動に取り組んでいきたい」と話す。

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