「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」が4月27日、日立製作所笠戸事業所前から下松駅南口間で開催され、市民や鉄道ファンら約5万人(主催者発表)が見学に訪れた。
市民や鉄道ファンらが見守る中、鉄道車両を陸送する様子(写真提供=道路を走る鉄道車両見学プロジェクト実行委員会)
鉄道車両や船舶、鋼鈑などの製造産業が集積する下松市を「ものづくりのまち」として全国に発信しようと開催する同イベント。5年ぶりの開催となった今回は、日立製作所笠戸事業所が製造した台湾向け都市間特急車両「EMU3000」の先頭車両2両をそれぞれ専用トレーラーに載せ、同事業所正門から下松駅南口までの往復約3.3キロを陸送した。
この日、全長21.7メートルの先頭車両を載せた専用トレーラーは同事業所を10時に出発。時速15キロで進み、下松駅南交差点を右折。沿道に設けられた観覧スペースには、多くの市民や鉄道ファンら集まり、下松駅南口のロータリーを鉄道車両が大きく旋回する様子を見守った。
鉄道車両を前に行われたセレモニーでは、ヨシムラダンスセンターの生徒による「くだまるダンス」や板金加工会社「山下工業所」が制作したアルミ製バイオリンとチェロの演奏が披露された。
佐賀県から車で来た家族連れは「山口の友人に教えてもらい車で来た。5年前のイベントは乗り物雑誌のDVDでよく観ていたので楽しみにしてきた」と話す。6歳の男児は「かっこよかった。将来は新幹線の運転手になりたい」と目を輝かせた。愛知県名古屋市から来た男性は「電車が好きで、よく旅行に出かけている。1月末にイベントを知って、即ホテルを抑えた。夜に電車が運ばれているのは知っていたが、昼間に見られるのはすごいなと思った。来た甲斐あった」と笑顔を見せた。
くだまつスポーツセンターでは、「ものづくり企業フェア」も同時開催され、地元企業10社が出展。バッテリー式エアポータの操縦体験やCAD体験などを多くの家族連れが楽しみ、にぎわいを見せた。