テクノプラザおおた(群馬県太田市)で6月10日、「全日本製造業コマ大戦 両毛場所」が開催され、下松市の金属部品加工「増田工作所」(下松市東豊井、TEL 0833-44-2352)の増田亮さんが優勝した。
全国の中小製造業が作成したコマを持ち寄り、相手より長く回して勝敗を決める同大会。静止時の直径が20ミリ以下、全長60ミリ以下のコマで、半径250ミリメートルの土俵の中で、先に2連勝したコマが勝ち上がり、優勝者は参加者のコマを総取りできる。
親子4人で半導体製造装置や化学装置など精密機械に使われる部品を加工・製造する同工作所。同大会へは、2013年に行われた山口場所が参加のきっかけ。社長で父の増田三夫さんは「最初は何の気なく参加したのだが、『あのコマに勝つにはどうしたらいいか』と考えているうちにどんどんはまってしまった」と話す。以来、各地で開かれる大会に出場し、「世界コマ大戦2015」ベスト8や呉高専場所での優勝など上位入賞を繰り返している。同大会はランキング制を導入しており、同社は現在2位。
両毛場所には、全国各地の町工場や工業高校などから27チームが参加。土俵の端で回してぶつかりを避ける軽量のコマや、回転時に変形するコマ、粘着性を持たせ相手の回転数を奪うことを狙うコマなど、各チーム思考を凝らしたまざまなコマが並んだ。
亮さんは、複数のパーツで構成し、小さなコマを内蔵する重量タイプのコマを初投入。亮さんの弟の徹さんは回すのにパワーが必要という超重量級のコマで出場。二人は順調に決勝戦まで勝ち進み、1戦目を勝利した亮さんは、内蔵する小さなコマで2戦目を戦い勝利、兄弟対決を制した。
「両方とも兄弟二人でアイデアを出しながら開発したコマ。どちらかが優勝できればと出場したが、最高な形で勝利できてうれしい」と亮さん。徹さんは「最近は相手がどんな手でくるか心理戦の様相。今後も改良を続け、勝ち続けるコマでランキング上位を維持していきたい」と意気込む。