山﨑八幡宮(周南市宮の前1、TEL 0834-62-2410)で9月24日、県指定無形文化財の「本山神事(ほんやましんじ)」が行われた。
1702年(元禄15年)に徳山藩主・毛利元次が「本山」「爺(じい)山」「婆(ばあ)山」と呼ばれる山車(だし)を奉納したことが始まりとされる同神事。300年以上続き、その年の五穀豊穣(ほうじょう)と地域の繁栄を祈願する。
神事で使われる山車は、釘を1本も使わず、丸太や竹をカズラで結ぶ、伝統構法で組み立てられた物。最大の「本山」は、人が乗ると2トン近くの重さがあるという。
爺山、婆山の奉納に続き行われた本山の奉納では、白い法被(はっぴ)を着た引き手と裸坊(はだかぼう)と呼ばれる氏子約200人が傾斜30度・距離10メートルの坂を「わっしょい」の掛け声と共に引き上げる勇壮な姿に、見守る観客から拍手が沸き起こった。
神職による祈願やみこによる舞など神事の後は、同祭のクライマックス、本山の突き落としが行われた。滑り落ちていく本山を追いかけながら、裸坊や観客が縁起物の御幣を我先にと奪い合っていた。
御幣を手にした裸坊の男性は「数年ぶりに手に入れることができたのでうれしい。みんなに御利益があれば」と声を弾ませていた。