周南市鹿野地域で、手作り紅茶「鹿野和紅茶」の特産品・ブランド化へ向けた取り組みが始まった。10月29日に開催された「6次産業化・農商工連携フェスタ」で発表された。
斉藤さんの和紅茶が販売された鹿野ブランド創出研究会主催のイベント「鹿野市」の様子(10月29日開催)
周南市北部に位置する鹿野地域。茶栽培の歴史は古く、江戸時代には献上品として「鹿野茶」を幕府に納めていた。現在でも複数の農家によって自家用を主体とした小規模生産が行われている。
同地域に住む寺戸光政さん、安永芳江さん、斉藤さよ子さんら3農家がそれぞれ手作りしていた紅茶を周南市や鹿野のまちおこしグループ「鹿野ブランド創出研究会」のバックアップの下、「鹿野和紅茶」として特産品・ブランド化に取り組む。
もともと紅茶好きだった斉藤さんは、自宅で栽培していた茶を手作りで紅茶にできないかと3年前から取り組む。試行錯誤の末、納得のいく紅茶が完成。友人やイベントで飲んでもらったところ評判も良く、紅茶の製造によって「少しでも鹿野の賑(にぎ)わいと取り戻せたら」と加工場を整備し「鹿野和紅茶」の製造を開始した。「山あいの豊かな自然が育てた素朴で優しい味。季節によって紅茶の味や香りが変わっていくところも楽しんでほしい」と話す。現在は、イベントなど販売の機会が限られているが、ゆくゆくは「鹿野に来るとおいしい紅茶が飲めるホッとできるカフェができれば」と夢を語る。
同取り組みを支援する周南市農林課の赤祢はるかさんは「和紅茶のブランド化は山口県内初の試みであり周南、鹿野の新たな名物にしていきたい。3農家さんの丁寧な作業によって作られた3つの和紅茶、それぞれ異なる香りや味を楽しんでほしい」と話す。
問い合わせは周南市農林課6次産業化・地産地消担当(TEL 0834-22-8369)まで。