徳山工業高等専門学校土木建築工学科の学生ら20人が現在、伝統文化を生かし製作した茶室の展示イベント「工芸としての茶室展」開催に向け準備を進めている。
同イベントでは、周南市の山代和紙職人・長弘京子さんと徳島県の阿波藍職人・矢野藍秀さんらの協力の下、広さ約2畳の木製の組み立て式茶室を製作し、9月16日~23日、周南市徳山駅前図書館2階のインフォメーションスペースに展示する。期間中、同校茶道部が茶会を開くほか、和にまつわるワークショップも行う。
プロジェクトを進める同学科5年の川根翔太さんは、高校3年生の夏季休業中、岩国で開催された建築家・隈研吾さんの講演会に参加し、インターンシップ受け入れを直談判。インターンシップの条件は大学3年生以上と言われる中、採用され1年休学。隈研吾建築都市設計事務所のインターン生として東京やフランスで下積みを経験する中、新潟の和紙職人・小林康生さんに出会ったという。
帰国後、同校に戻り、伝統工芸を生かした作品が作れないかと考えた時に、同企画がひらめいたという。土木建築工学科の学生らに声をかけ、はじめは4人だったメンバーが、今では20人に増えた。同学科の中川明子准教授は「ほかの生徒たちにもいい刺激になっている」と話す。
実行委員会では現在、クラウドファンディングで支援者を募集している。集めた資金は、茶室や山代和紙を使った障子、畳縁に阿波藍の布を使った畳などの製作費に充てる。目標金額は150万。募集締め切りは7月30日23時59分。
支援者へのリターン品として、茶会参加券やオリジナルトートバッグ、藍染めハンカチ、50万円の支援者にはイベントで使った茶室本体を用意する。
川根さんは「伝統工芸の技を使い製作した茶室で、工芸とお茶の魅力を感じてもらえたら。若い世代が工芸に魅力を感じ発信することで、職人さんの技術や熱意が次世代につながるきっかけになれば」と意気込む。