本年度末で休校する下松市立米川小学校(下松市下谷、TEL 0833-53-0003)で3月19日、最後の卒業式が行われた。
1885(明治18)年に「瀬戸小学校」として創立した同校。その後、統合や改称を重ね1954(昭和29)年、下松市の合併に伴い下松市立米川小学校となった。1949(昭和24)年には358人いた児童も、2005(平成17)年には20人を切り、本年度の全校児童数は10人。うち4人が卒業するため、3月31日で休校することが決定した。
この日は6年生と在校生、教職員、保護者、PTA役員ら全員がマスク着用で式典に臨む中、堀川勝祥校長が6年生一人一人に卒業証書を手渡した。
堀川校長は「134年の長きにわたり続いてきた学校が休校になる最後の6年生として、その役割から逃げることなく、期待に応え駆け抜けた見事な1年間だった」とねぎらい、「3月から急に休みになり寂しい思いもしたと思うが、『試練をその先へ向かって歩み出す力とする』、この言葉を胸に経験を中学校での勉強や部活動に生かしてほしい」とエールを送った。
式の最後には、20年前に同校を卒業した相本智宏さん伴奏の下、校歌を児童全員で元気よく歌い、ハレの日を迎えた卒業生を見送った。
休校に伴う記念式典は当初、3月21日に行う予定だったが、新型コロナウイルス感染を懸念し中止となった。全児童によるオペレッタ(小歌劇)披露も中止となったことを受け、6年生の山縣世都さんは「劇のせりふは覚えているので、地域の人々に見せられず残念」と肩を落としながらも、「みんなそろって卒業式が迎えられたのでよかった。中学校では友達をたくさん作って勉強や部活を頑張りたい」と笑顔を見せていた。