水素を活用した日本酒「水素晒(すいそさらし)」の新酒鑑評会が9月9日、総合化学メーカー「トクヤマ」(周南市御影町1)と周南市内の酒蔵「はつもみぢ」(周南市飯島町1、TEL 0834-21-0075)で作るプロジェクトメンバーや県内の大学生らが参加し、オンライン開催された。
日本酒「水素晒」は、苛性ソーダ製造時に発生する水素の有効活用に取り組むトクヤマが技術協力し、はつもみぢが開発した日本酒。同社の武末正広さんによると「酒に水素を呼吸させたイメージ」という独自の技法(特許出願中)を用いて製造、完成までに約2年の歳月をかけた。
山口県産の米・山田錦を使い醸造された日本酒「水素晒」。ラインアップは純米大吟醸と、今回新しく開発した特別純米酒の2種類。精米歩合は、特別大吟醸=50%、純米酒=60%で、アルコール分はともに16度。水素をイメージした水色のボトルに、水素元素の質量1.008と電子軌道をデザインしたラベルを貼りつける。
来月20日の一般販売に先立ち開催されたオンライン鑑評会。山口県立大学と山口大学の学生5人と、トクヤマの横田浩社長や開発に関わったはつもみぢ原田康宏社長やトクヤマ社員のプロジェクトメンバー、山口県立大学の前川剛志理事長ら20人が参加した。
鑑評会では、学生がSNSや動画など活用したプロモーションや、家族や友人らと水素晒を楽しむシチュエーションを提案、その後、開発メンバーらとグループに分かれ、水素晒の飲み比べをしながら酒の感想やプロモーションの方法について話し合った。大学生からは「水素を活用したお酒と聞いてイメージがわかなかったが、すっきりしておいしい」「ボトルもかわいく、水素について親近感が沸いた」などの意見が寄せられた。
横田社長は「学生らの取り組みや提案がどれも素晴らしく感動した。この水素晒をきっかけに、世代間の交流や化学や水素について理解を深めてもらえれば」と話す。
水素晒は、10月20日からはつもみぢの店頭やECサイトなどで販売する。価格(300ミリリットル)は、純米大吟醸=1,008円と特別純米酒=720円。