光高校演劇部の定期自主公演会「私たちの春フェス」が3月21日、スターピアくだまつ（下松市中央町）2階展示ホールで開催される。

「□〇ル（かくまるる）葉桜」の稽古の様子

　旧光丘高校と光高校の再編統合により、2020年から合同で「光丘・光高校演劇部」として活動してきた同部。昨年、光高校演劇部としてスタートを切った。現在部員は12人。

　昨年12月に開催された第60回中国地区高校演劇発表会では、部員に新型コロナウイルスの陽性者が出たことで録画映像による審査に切り替わった。中国地区大会の上位2校に与えられる全国大会出場の推薦を逃したが、優良賞を受賞。山本倫禾部長は「大会では稽古映像の上映となり、悔しさや苦しさが残った。実際に演技を見てもらうことで、もっと伝わるものがあったと思う」と話す。

　自主公演会は、全国大会（通称春フェス）出場を目指して励んだ思いと「リベンジマッチ」の意味を込めて「私たちの春フェス」と名付けた。上演するのはオリジナルの2作品。障がいのある家族を支えるヤングケアラーの主人公と周囲の人々との関係を描いた「□〇ル（かくまるる）葉桜」と、舞台となる小児科病棟で主人公・女性医師「照井」の失踪事件をきっかけに、ミステリー要素を絡めながら展開する「みすてりい」。ジェンダーや障がいなどについて現代社会が抱える問題を落とし込んだ脚本は、部員と教員で考案。舞台装置も部員が作り上げた。照明の色も工夫し、観客を飽きさせない素早い場面展開が特徴だという。

　3年生の山下敬生さんは「春フェスは自分にとって卒業公演となる。手の障がいのことで入部をするか悩んでいたが、顧問の石田先生に『演劇は自分の表現を存分に見せられる場。気にしなくていい』と背中を押され入部した。学年で1人だったこともあり、迷いながらも努力して3年間続けることができた。今まで支えてきてくださった家族や皆さんに、日頃の感謝を直接伝えたい」と笑顔で話す。

　山本部長は「2つの作品に共通するキーワードがあるので、ぜひ通して見てもらいたい。『みすてりい』のテーマになっている『尊大な羞恥心と臆病な自尊心』を中国大会で実際に感じ、悔しさを糧にここまで練習してきた。成長した『みすてりい』を生で観客の皆さんにお届けできれば」と意気込む。

　開演時間は13時30分。入場無料。定員は250人。