「トクヤマゆうゆうファーム」(柳井市余田)で8月22日、リーフレタス水耕栽培施設の完成式が行われた。
総合化学メーカー「トクヤマ」(周南市御影町1)が昨年12月、農産物の生産・販売・加工などを行う「サラダボウル」(山梨県中央市)と共同で設立した「トクヤマゆうゆうファーム」。
今回完成した水耕栽培施設や機器は「JA山口県」が国の補助金を活用し整備。ゆうゆうファームにリースする。栽培施設の面積は県内最大級となる約1万4500平方メートルで、総事業費は11億3300万円。ゆうゆうファームでは今後、リーフレタス栽培を通じた障がい者雇用機会創出などの地域社会貢献を目指す方針という。
施設内には、苗の定植から収穫まで育成段階に応じて栽培ベンチ(ガター)が移動するムービングガターシステムを導入。種植えから収穫までは約40日。年間約500万株のリーフレタスを栽培する。サラダボウルが全量買い取り、関西・中国・九州地区に出荷する。現時点の雇用は、社員・パートタイマー合わせ36人で、仕事量や作業手順が確定した後、段階的に障がい者雇用を増やす予定。
完成式には、トクヤマやJA山口の関係者のほか、村岡嗣政山口県知事、井原健太郎柳井市長など約30人が出席した。
トクヤマの横田浩社長は「障がいのある方々も生きがいを持って働け、経済的にも自立できる施設を目指していきたい。水耕栽培は工場的な運営も求められる。化学メーカーとして培ってきた、安定して生産するというノウハウを生かし、農業の分野でも頑張っていきたい」と意気込む。