周南市美術博物館(周南市花畠町、TEL 0834-22-8880)で1月5日、「ファンタジーの王様 武井武雄展」が始まった。
長野県岡谷市出身の武井武雄は、大正から昭和にかけ童画や版画、刊本作品、玩具やトランプのデザインなど、さまざまなジャンルの作品を発表した芸術家。子どものための絵を総称する「童画」という言葉を自ら作り出し、独自の画風や表現で童画界をリードしてきた。
同展では、武井武雄の作品を数多く所有する「イルフ童画館」(長野県岡谷市)の協力を得て、童画、刊本作品、版画、余技作品の4分野、239作品を展示する。童画のコーナーでは、同市出身で作詞家の故・まどみちおさんとのコラボレーションした挿絵作品などを展示する。
300人の会員限定で頒布された刊本作品は、文章、絵、企画、デザインまで武井自身がすべてを手掛け、毎回、友禅染、螺鈿(らでん)、寄せ木細工などの伝統工芸や、当時の最新印刷技術を駆使して作成されたもの。同展では全139作品のうち、30作品を展示する。
5日に行われた開会式では、イルフ童画館の山岸吉郎館長を招き、木村健一郎周南市長らとテープカットが行われた。
山岸館長は「童画と詩、形は違っても同じ志を持ち、子どもたちの心に寄りそって活動してきた、まどみちお先生のふるさとで、このように盛大な作品展を開いていただくことは大変光栄。武井は、童画だけでなくバラエティーに富んだ作品を残しており、今見ても古く感じない。3世代で楽しんでほしい」と話す。
1月28日、2月12日は14時から、学芸員によるギャラリートークを行う。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(2月12日は開館、翌13日休館)。入館料は、一般=1,000円、大学生=800円、18歳以下無料。2月18日まで。