児童が卵から育てた「ギフチョウ」の放蝶式が4月11日、八代小学校(周南市八代)で行われ、全児童11人の手で里山に放たれた。
ギフチョウはアゲハチョウの一種。早春にだけ、色鮮やかな羽を広げて舞う姿を見せることから「春の女神」とも呼ばれている。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧II類に指定されている。
同小学校では、全児童11人が「森の少年隊」として自然保護を行っており、ギフチョウの飼育もその活動の一つ。地元でギフチョウの保護に取り組んでいる田島実さんの指導の下、主に3年生が1年かけ卵から飼育した。現在、29匹のさなぎから21匹が羽化している。
4年生の宮本侑さんは「飼育していて大変だったことは幼虫の餌やり。好物のカンアオイの葉を大量に食べるので糞も大量で、世話が大変だった。さなぎを植木鉢の裏に新聞や霧吹きを使い全部誘導できた時はうれしかった。このまま元気に成長してほしい」と話す。
色鮮やかな成虫の姿に「きれい、かわいい」と喜ぶ児童や「まだ放したくない」と名残惜しむ児童もいる中、それぞれの手で1匹ずつ、校舎の裏山に放った。
神山信司校長は「これまでは田島さんから卵をいただいて育てていたが、今年はギフチョウの産卵にも挑戦しようと思っている。受精した雌3匹をみんなで見守りながら、お世話していきましょう」と児童らに呼び掛けた。