周南市美術博物館(周南市花畠町、TEL 0834-22-8880)で5月24日、「MINIATURE LIFE(ミニチュア・ライフ)展~田中達也 見立ての世界~」が始まった。
ミニチュア写真家で「見立て作家」の田中達也さんは、ジオラマ用人形と身近にある物を使って別の物に見立てた写真作品を制作。2011年から1日も休まずインターネット上で作品を発表し続けている。独自の作風が世界中から人気を集め、2017年のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックにも起用された。山口県での個展は今回が初めて。
会場には、スイカを「ノアの方舟」に見立てた「100匹乗っても大丈夫」、トウモロコシをロケットに見立てた「トウモロコシ燃料ロケット」などのジオラマ作品やミニチュア作品の写真など約130点を10テーマに分けて展示する。ふぐ刺しを荒波に見立て、海難救助を表現した作品「今『ふぐ』に救助します」や、新幹線に見立てたパンが線路を走る作品「新パン線」など、山口県にちなんだ作品も展示される。
オープンセレモニーには、平日にもかかわらず多くの来場者が駆け付けた。来場者の一人は「いつも見ていた作品を生で見ることができうれしい。田中さんの作品はタイトルもユーモアがあり面白く、いつもハッとさせられる」と話す。
作品は写真撮影可能で、作品に見立てた撮影スポットも設置。会場では思い思いにジオラマ作品を撮影したり、ミニチュアになりきって写真を撮ったりする来場者の姿でにぎわいを見せている。
田中さんは「普段見過ごしている物をどのように撮れば分かりやすく見えるか、観察する機会になれば。写真を撮ったら、SNSなどに投稿して面白さを広めてほしい」と呼び掛ける。
開催時間は9時30分~17時(入場は16時30分まで)。月曜休館。入場料は、一般=1,000円、大学生=800円。7月7日まで。