周南市美術博物館(周南市花畠町、TEL 0834-22-8880)で7月18日、企画展「竹久夢二展~憧れの欧米への旅~」が始まった。
美人画で一世を風靡(ふうび)し大正ロマンを代表する画家・竹久夢二。1905(明治38)年、22歳でデビューして以来、新聞の飾り絵である「コマ絵」や挿絵を数多く発表した。叙情的な作品は「夢二式美人画」と呼ばれ、「大正の浮世絵師」とも称された。
同展では、日本有数の竹久夢二作品コレクターとして知られる中右瑛(なかう・えい)さんの所蔵品の中から、肉筆画や版画、デッサンなど約245点を展示する。
同館1階では、1914(大正3)年に夢二が東京・日本橋に出店した「港屋絵草紙店」を模したコーナーを設置。夢二がデザインし販売した版画や便せん、封筒、短冊カード、うちわなどを展示する。
2階では、晩年ヨーロッパや米国へ旅行した際に描いたスケッチやデッサン、夢二作品の中では珍しい油絵「扇をもつ女」も展示する。
18日に行われた開会式では、中右さんも出席し、藤井律子周南市長らとテープカットを行った。
中右さんは「艶福家であった夢二は『波乱万丈の恋人生』を送ってきた。夢二の絵のモデルはすべて恋人。その恋のフェロモンが絵から発散し、没後84年たつ今も見る人を魅了させ続けているのではないか。絵だけではなく、グラフィックデザイナーの先駆者でもあった夢二。1品1品丁寧に見て堪能してもらえたら」と呼び掛ける。
8月3日・12日は学芸員がギャラリートーク(14時~)を行い、恋と旅を重ねた夢二のドラマチックな生涯を作品と共に解説する。
開館時間は9時30分~17時。月曜休館(8月12日は開館し、翌13日休館)。入館料は、一般=1,000円、大学生=800円、18歳以下無料。8月25日まで。