周南市文化会館（周南市徳山、TEL 0834-22-8787）は3月31日、新型コロナウイルス感染拡大によるイベントの中止や延期が相次ぐことを受け、無観客公演・ネット配信などを条件に同会館大ホールの無料貸し出しを発表した。
【2020年4月6日追記：周南市・下松市で新型コロナウイルスの感染が確認されたため、5月10日まで同会館の休館が発表され、本記事にある無料貸し出しについても中止となりました。】

1800人収容する客席から見た大ホール

　大ホールの定員は1800人。県内最大級の音楽ホールとして、有名アーティストによるコンサートなどが多く、高い稼働率を維持していた同会館。政府による大規模イベントの自粛要請を受け、公演の中止や延期が相次いでおり、4月だけで8件のキャンセルが出ているという。

　「ホールに音が響かないことがとても寂しい」と話す同館事務局次長の西村達也さん。プロのシンガーらによる無観客配信などを知り、「職業演奏家の皆さんがあってのホールであり、私たちにも何かできるのではないか」と無料貸し出しを決めた。

　条件は、山口県在住のプロの演奏家らを中心としたメンバーで関係者を含め利用は数十名程度まで。無観客による公演をYouTubeやSNSなどでのインターネット配信し、「コロナに負けるな」などメッセージと会場が周南市文化会館であるを記載すること。

　貸出時間は9時から17時までで、1団体につき8時間以内。過度な音響・照明設備は使用できない。期間は4月、5月とする。

　3月31日から同会館のホームページやSNSで発表したところ、反響も大きく、地元のピアニストや歌手などによる公演が7件（4月2日現在）決定したという。

　西村さんは「活動自粛により、つらい立場であろう皆さんに活用してもらい、コロナに負けず、一緒にこの難局を乗り切ろうと励ましのメッセージを発信してほしい」と話す。