日本酒「獺祭(だっさい)」を生産する旭酒造(岩国市周東町)は5月29日、「手指消毒用高濃度エタノール」を6月初旬から販売することを発表した。
新型コロナウイルスの影響で手指消毒用エタノールが不足するなか、厚生労働省が代替品として高濃度エタノール製品の使用を認めたことを受けた取り組み。「アルコールメーカーとしての責務を果たしたい」と製造する。
アルコール度数は72度。容量は750ミリリットルで、販売価格は1,650円。パッケージには大きく飲用不可と記されている。1日当たりの生産量は400本程度。医療機関へ優先的に販売し、獺祭取扱店での販売には数に限りがある。今後、岩国市を通じて医療機関や保育所、介護施設などへ500本を無償提供する。
酒米・山田錦の需要が大きく落ち込むなか、生産者支援を目的に「食べて」応援しようと全国の取扱店で山田錦を販売する同社。製造体制が整い次第、山田錦を発酵・蒸留したエタノール製品の製造も予定する。