光市室積の鼓ヶ浦海岸で6月3日、初夏の風物詩にもなっているクサフグの産卵が確認された。

　クサフグの産卵地として県の天然記念物に指定されている光市室積の鼓ヶ浦海岸。毎年5月中旬から7月上旬の新月または満月前の中潮の日に産卵が確認されている。

　光市教育委員会によると、同日16時30分ごろ、波打ち際には約2000匹のクサフグが現れ、海面を泡立たせながら岩場に半透明の黄色い卵を産卵した。見つけられた卵は下層の砂利層の中に入り込み、ここで適度な水分と太陽熱を得て、3、4日後にはふ化し、大潮に乗って沖へ出るという。

　光市では例年、産卵推定日を公開し、観察を呼び掛けていたが、今年は新型コロナウイルスの拡大防止のため、市民の観察自粛を呼び掛けている。