山口県下松市にある日立製作所で3月25日、JR東海がリニア中央新幹線のL0（エルゼロ）系改良型試験車両を報道関係者に公開した。

　JR東海が2027年の開業に向け準備を進める中央新幹線。この車両は、山梨リニア実験線で2013年から走行試験を行っているL0系をより営業仕様に近づけた改良型で、東京・品川～名古屋間を最高時速500キロで運行し、最速40分で結ぶことができる。

　今回公開された先頭車両は全長28メートル、車体幅3メートル、ノーズ部分は15メートル。これまでの使っていたガスタービン発電装置を廃止し、誘導集電方式を全面採用することで、非接触で車内に給電することができるようになった。先頭形状も走行抵抗を減らすよう、ブラッシュアップした。

　JR東海リニア開発本部の寺井元昭本部長は「500キロで走ることを突き詰め進化した。先頭のノーズ部分に丸みがあり愛嬌（あいきょう）を感じさせるところが特徴で、そこに走行抵抗を減らすポイントとなっている」と話す。

　今後、3月下旬に日立製作所より搬出し、4月上旬に山梨リニア実験線へ搬入する予定。5月末から、これまでのL0系と改良車両を組み合わせ、本線での走行試験を行う予定。