下松市栽培漁業センターが養殖するブランドサバ「笠戸のさば」の完成お披露目会が11月22日、笠戸島の国民宿舎「大城」(下松市笠戸島)で行われた。
定置網などで取れる「ロウソクサバ」と呼ばれる80グラム程度のマサバを有効活用しようと10年前から研究に取り組んでいる同センターでは2020年11月、同サバをブランドサバ「2升5合(ますますはんじょう)鯖」として発表。その後も餌に市内酒造所「金分銅(きんふんどう)」の酒かすや笠戸島で取れるレモンの果汁を混ぜ改良を加えた。さらに油脂成分の品質や鮮度の持ちが向上したことから今回、完成お披露目会を企画した。通常サイズを「笠戸のさば」、800グラム以上に育てたサバをハイブランド「2升5合鯖」として販売する。
同センターの旗手友紀さんは「これまでの、おいしいが2切れも食べれば十分という脂っこさを改善した。さらにうま味が増し臭みがなくなった。下松の特産品である笠戸ひらめ、笠戸とらふぐに次ぐ、第3のブランドとして育てていきたい」と意気込む。
サバの研究紹介に続いて行った試食会では、サバ、ヒラメ、トラフグの姿造りやしゃぶしゃぶ、さばずしが出席者約30人に振る舞われた。
会に出席した国井益雄下松市長は「養殖技術の向上には目を見張るものがあり、脂がのって、食感も良くおいしかった。さばずしは、下松の新たな土産品としても期待したい」と話す。
同センターでは今後、毎年11月から3月にかけての出荷を予定する。今シーズンは約1000匹を出荷する予定。下松市内では現在、「国民宿舎大城」「和食工房にしだ」などで提供している。