茶室の展示イベント「工芸としての茶室展」が9月16日、周南市立徳山駅前図書館の2階インフォメーションスペースで始まった。
主催は、徳山工業高等専門学校土木建築工学科の学生らを中心とした「工芸としての茶室展実行委員会」。広さ約2畳の木製の組み立て式茶室を製作、同館2階インフォメーションスペースに展示する。期間中、同校茶道部が茶会を開くほか、和にまつわるワークショップも行う。
同日、約2時間かけて組み立てた木製の組立茶室は、幅、奥行き約2メートル、高さ2.6メートル。障子や屋根は、周南市の山代和紙職人で伝承活動をしている長弘京子さんが製作した山代和紙を、畳の畳縁には、徳島県の阿波藍職人・矢野藍秀さんが染めた布をそれぞれ使用する。
設計を務めた同学科5年の川根翔太さんは「スムーズに設置できてよかった。思った以上の出来栄えに感激している」と話す。組立茶室を制作するに当たり、100枚の山代和紙を製作・提供した長弘さんは「和紙は、素材やその日の水加減、温度加減で出来上がりが変わる。ただ作ればいいだけでなく、心も重要になってくる」と話し、川根さんは和紙の提供に感謝し「技術はもちろんのこと、心構えを伝承してくことの大切さに気付けた」と話した。
21日14時30分から、長弘さんによる講演会が開かれるほか、山代和紙でうちわやペン立て、ちぎり絵葉書(参加費200円~)などを作るワークショップを展開する。
19日は水木菓子舗による「和菓子作り教室」、20日は田原清香園茶舗による抹茶にまつわる講習会「抹茶学びカフェ」、21日・22日は同校茶道部によるお点前・点出しなど、和にまつわるイベントが開催される。
川根さんは「工芸から建築をつくることはできないか、そんな思いから始められたプロジェクト。山代和紙と阿波藍の2人の職人技が作り上げた茶室で、工芸とお茶の魅力を感じてもらえたら」と呼び掛ける。
展示時間は10時~20時。入場無料。今月23日まで。