周南市産黒毛和牛を味わう会が1月23日、レストラン「エムズダイニング」(周南市徳山東北山)で開かれた。
市内の畜産業と飲食店関係者ら20人が一堂に会し、周南産黒毛和牛のコースを味わいながら、その魅力や畜産業の振興、地産地消についての意見交換を行った。主催は周南市畜産振興協議会と周南市地産地消推進協議会。
市内には18戸の畜産農家があり、そのうち15戸で肉用牛472頭を飼育、年間約40頭が出荷されている。市内に食肉処理場がなく、食肉加工のため県外に出荷、そのまま都市部で流通することが多いという。周南産牛肉にもかかわらず市内での消費は少なく、現在はソレーネ周南(周南市戸田)内にある鹿野ファーム直営店(TEL 0834-68-3420)など限られた店舗のみで取り扱う。
周南市畜産振興協議会の隈明憲会長は「まずはおいしい牛肉が周南でも生産されていることを知っていただきたい。地元で知られなければブランド化も難しい。現状は産地や生産者、顧客の顔も見えない売り方になっている。課題を解決し、周南の飲食店やスーパーなどで扱っていただけるよう努めたい」と意気込む。
飲食店関係者からは「有名産地と遜色ない、おいしいステーキだった」「周南産黒毛和牛は知らなかった」「まずは市内でも取り扱えるルートをつくってもらいたい」との声も聞かれた。調理を担当した「エムズダイニング」のシェフ田中宏之さんは「きめ細かくサシが入り、赤身とのバランスもよく上質。入荷しやすくなれば、地産地消を進めるためにもメニューに取り入れたい」と話す。
今後は、畜産の農家らで構成する周南市畜産振興協議会が中心となりブランド化へ向けた基準つくり、認知度の向上と市内流通の拡大を目指す。