周南市の総合化学メーカー「トクヤマ」(周南市御影町1)が9月30日、市内で伐採した竹を徳山動物園(周南市徳山)のスリランカゾウにプレゼントした。
脱炭素社会の実現に向け、竹チップを使ったバイオマス発電の実証実験を進める同社が、「竹害」として社会問題化している周南市に提案し、企画した。
この日は、同社の社員30人らが、金剛山公園(周南市東北山1)内に浸食し始めている竹林の伐採作業に当たり、約1時間で3トン余りの竹を切り出した。その一部は徳山動物園へ寄贈され、スリランカゾウのナマリーに与えられた。竹が大好物のナマリーは、新鮮な竹をおいしそうに食べた。
山口県の竹林面積は全国4位。繁殖力の強い竹は、地滑りの原因になったり、ほかの樹木の成長を妨げたり、里山の生態系が破壊されるなど、竹林面積の多い周南市でも問題となっている。
同社・徳山製造所の安達秀樹所長は「木質チップやパームヤシ殻と比べ、竹の燃焼にはたくさんの技術的課題があるが、最後まで粘り強く挑戦し、竹バイオマス燃料の実証化に挑戦していきたい」と意気込む。
伐採した竹は、同社発電所のバイオマス燃料として活用するため、「三輝トラスト」(宇部市)でチップ状にした後、10月中旬の燃焼試験で利用する予定。