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周南・福川中学校で能楽の鑑賞と体験 伝統芸能に親しむ

狂言 ワークショップの様子 柿をもぎ取る様子

狂言 ワークショップの様子 柿をもぎ取る様子

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 周南市の福川中学校で10月30日、能楽の鑑賞とワークショップが行われ、生徒らが伝統芸能に親しんだ。

クモの糸を無数に飛ばす様子 妖怪土蜘蛛を演じる観世流 能楽師シテ方奥川恒治さん

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 文化庁の「文化芸術による子どもの育成事業」を活用し行われた同公演。一流の文化芸術に触れ、子どもたちの発想力やコミュニケーション能力を養うとともに、将来の芸術家や観客層の育成を目的とした事業。同校では今月1日にも能楽師を招き、能楽についての歴史や演目について事前に学んだ。

 この日は観世九皐会の能楽師ら22人が同校を訪問。全学年の215人が午前午後に分かれ、能や狂言などの鑑賞と体験を行った。

 生徒らは最初に、狂言「柿山伏」を鑑賞。柿を盗み食いした山伏が、畑主にからかわれながら、カラスやサル、トビの鳴きまねで必死にごまかそうとする様子に、会場から笑い声が上がった。その後行われたワークショップでは、山伏を演じた大蔵流狂言方の大藏教義さんらがユーモアを交えながら、能楽の基本となる身体の構え、柿をおいしそうに食べるしぐさや特徴のある笑い方を生徒らに教えた。

 休憩をはさんだ後半は、能楽の音楽を担当する囃子方(はやしかた)が、笛・小鼓・大鼓・太鼓をそれぞれ解説し、実演。続いて、能「土蜘蛛(つちぐも)」では、クモの妖怪と源頼光に仕える独武者らが、クモの糸に苦戦しながらも戦い退治する場面を鑑賞。クモの糸が無数に飛び交う派手な演出に生徒らは熱心に見入っていた。上演後行われた質問コーナーでは、装束(衣装)や舞台の幕、クモの糸について次々と質問が上がった。

 生徒代表によるあいさつでは「これまで伝統芸能に触れる機会がなく、とても貴重な体験となった。日本に居ながら、まだまだ知らないことがたくさんあることが分かったので、これからも学んでいきたい」と話した。

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