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周南で猪熊弦一郎展「いのくまさん」 詩人・谷川俊太郎の言葉で魅力紹介

来館を呼び掛ける松本さん

来館を呼び掛ける松本さん

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 周南市美術博物館(周南市花畠町、TEL 0834-22-8880)で1月8日、香川県高松市出身で画家の故・猪熊弦一郎さんにスポットを当てた企画展「いのくまさん」が始まった。

三越包装紙「華ひらく」が展示されるガラスケース

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 猪熊さんは1922(大正11)年、東京美術学校(現・東京藝術大学)入学後、藤島武二に師事。同校中退後、東京、パリ、ニューヨーク、ハワイと制作の拠点を移しながら、マティス、ピカソ、ダリ、藤田嗣治などの芸術家とも交流を深め、多彩な作品を生み出した。柔軟に画風を変化させる猪熊さんの制作活動は幅広く、三越百貨店の包装紙や、JR上野駅中央コンコースの壁画制作を担当したことでも知られている。1993(平成5)年没。

 同展は、詩人・谷川俊太郎さんが猪熊さんの魅力をつづった絵本「いのくまさん」(小学館)を基に構成する。各階天井から、谷川さんの言葉が書かれたタペストリーをつるし、猪熊さんの色彩豊かなアクリル画や油彩画など約130点を展示する。

 1階では、写実的な人物画、鳥や猫をユーモラスに描いた作品を展示。2階では、40年間描いた「小説新潮」の表紙絵や三越百貨店の包装紙「華ひらく」、JR上野駅中央コンコースの壁画原画「自由」などを展示する。

 同館学芸員の松本久美子さんは「生涯、常に新しい表現を取り入れ画風を変化させた猪熊さん。作品の移り変わりを見て楽しんでほしい。谷川さんの言葉を道しるべに、猪熊さんの魅力を存分に味わっていただけたら」と呼び掛ける。

 開館時間は9時30分~17時。月曜休館(1月11日は開館し、翌12日休館)。入館料は、一般=1,100円、大学生=800円、18歳以下無料。2月23日まで。

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