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周南で廃棄物使ったアートコンテスト ファイナリストが公開プレゼン

グランプリを受賞したimocoさん

グランプリを受賞したimocoさん

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 廃棄物を使ったアート公募展「COIL Upcycle Art Contest」の公開プレゼンテーションと最終審査会が12月9日、環境・リサイクル会社「中特ホールディングス」(周南市久米)で行われた。

imocoさんの作品「やおよろず」

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 廃棄物から新たな価値を生み出そうと2021年から開催している同コンテスト。今年3月には熊本県の美術館で、これまでの入選作品を展示する企画展を開催した。

 会場には、全国から集まった100作品の中から、最終審査に選ばれた7作品を展示。牛乳パックを切り聞いて洗浄、乾燥させ、縫い合わせて作った「ジーンズ」、ペットボトルを組み上げてかたどった「テディベア」、さまざまな時代、国で使われていた紙や布、プラスチックや鉄くずなどをコーヒーや紅茶、泥などで染色して作った「本」など、個性的な作品が並ぶ。アーティストらは、制作意図や環境、廃棄物に関して自身の思いを伝えた。

 審査の結果、グランプリを受賞したのは、群馬県桐生市在住の「皮アーティスト」imocoさん。害獣駆除された鹿など野生動物の皮を加工し、丸く切り抜いたプラスチックゴミに貼り付けて縫い合わせた作品「やおよろず」。これまで牛革で財布やカバンを制作してきたimocoさんは「害獣駆除された野生動物の皮が捨てられているということを知り、それをなんとか生かせたらと地元の猟師から分けてもらうようになった。この作品は、15頭分の野生動物の皮を使っている。ちょっと毛が残っていたり傷がついていたり、それぞれ色味も違うので、表情の違いを楽しんでもらって。いろんな子が山に住んでいることを知ってもらいたい。丸が集まることで、生き物の温かさを伝えられたら」と話す。

 準グランプリには、空き缶やペットボトル、紙バックにシリコーン樹脂を流し込み、ごみの形を写し取った立体作品を元の場所に戻し撮影した、小畑亮平さんの作品「行為の気配」が選ばれた。

 同展ディレクターの橋本季和子さんは「廃棄物とは何かという問いを私たちにも提示してくれた。これを機会に一人でも多くの方に見ていただき、環境について考えるきっかけになれば」と話す。

 今回最終審査を受けた7作品は、同社オープンスペースで1年間展示するほか、企画展などで全国を巡回する。

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