台湾高速鉄道の新型車両「N700ST」の完成を披露するロールアウトセレモニーが7月30日、日立製作所笠戸事業所(下松市東豊井)で開かれ、第1編成が台湾に向けて出荷された。
白を基調にオレンジと黒のラインを配した「N700ST」の先頭部
同車両は、日立製作所と東芝などで構成する「Hitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)」が、台湾の高速鉄道事業者「台湾高鉄」から製造を受注した。受注額は約1,240億円。12編成144両を製造し、順次納入する。
式典には台湾から約50人、日本から約180人の関係者が出席し、国内外の報道関係者約50人が取材した。車両の開発や製造工程を紹介する映像を上映した後、カウントダウンに合わせてN700STが会場に姿を現した。台湾高鉄の史哲董事長、日立製作所のジュゼッペ・マリノ執行役専務らがあいさつし、出席者らは車両を前に記念撮影し、完成を祝った。
N700STは、東海道新幹線などで使われるN700Sをベースに、台湾の運行環境や利用者のニーズに合わせて設計した。1編成は12両で、全長約300メートル。営業最高速度は時速300キロとなる。
先頭部は白を基調とし、台湾高鉄のコーポレートカラーで明るい未来を表すオレンジと、現行車両「700T」に使われている黒のラインを組み合わせた。700Tからの連続性を受け継ぎながら、新型車両の先進性とスピード感を表現したという。
式典は、熊本県熊本地方でマグニチュード7.1の地震が発生した2日後の開催となった。台湾高鉄は被災地の復旧・復興を支援するため、2,000万円を寄付すると表明。式典では、被災者への見舞いと一日も早い復旧を願う言葉も述べられた。
マリノさんは「車両の完成を非常に誇らしく思う。台湾高鉄やJR東海、東芝をはじめ、多くの関係者と長年取り組んできた成果であり、新しい時代の幕開けでもある」と話す。
史さんは「利用者の増加に対応するため、新型車両が必要だった。台湾の人々に、より安全で質の高いサービスを提供できることをうれしく思う」と話す。
台湾高鉄は日本の新幹線システムを導入し、2007年に開業。台湾北部の台北市と南部の高雄市を結ぶ。新型車両の第1編成は8月15日に台湾へ到着し、2027年第3四半期に営業運転を始める予定。2027年下半期までに6編成、2028年に残る6編成を投入し、全12編成の導入後はピーク時の輸送力を現在より約25%増やす見込み。